仕事上での大きな思い出の一つは、一週間の北海道ロケ。 当時まだ珍しかったキャンピングカーで、大阪から敦賀へ、そこから33時間フェリー に乗りローリング状態で一路小樽港へ。船酔い醒めやらぬまま千歳空港駐車場で一泊。 いきなり「強盗犯人が逃走しているので気をつけて」と警官の飛び入り有り! そこから東京のモデル前田範子さんとスタイリスト、アシスタントの上野松雄君、そし て森下仁丹宣伝課の穐原さんと山本さんと私の6名で北海道撮影旅行が始まった。
多数の雑誌広告用の撮影で、未だに忘れられない充実したロケだった。 トラピスト修道院の放牧場で、雄大な夕焼けをバックにしてのモデル撮影。 早朝から発煙筒を持って駆け回った(朝もや想定の為)大沼でのイメージ撮影。 大きな乳牛にモデルが何度もなめられ、悲鳴を上げていた牧場撮影。 牧場での一泊中、牧童頭から差し入れてもらったバケツ入りの生牛乳。 翌日、そのバケツの牛乳はキャンピングカー移動中バターに変身、これにはビックリ! 長万部で食べた安くて旨かった路上売りの毛ガニ!撮影後のじゃがバタとビールと水割! (ロケ中はやした無精ひげが 現在まではやす切っ掛けになってしまったとは‥。) それ以後です。「これは天職だ!」と、出張ロケにはまり、ロケ三昧になったのは。 この頃から、より山本さんとは信頼関係が深まり屋外ロケが多くなったように思う。
山本さんの、状況次第で臨機応変にデザインをされる構成力、シンプルでいて的確な表現 力と速やかな判断力は定評のあるところ。尊敬できるデザイナーの一人である。 現在はクオレ化粧品、三広企画の取締役として活躍されているが、私自身コマーシャル の印刷煤体の数としては山本さんとの仕事が一番多いように思う。 今現在当社と関係しているだけでも、 現代パステル協会の代表、松田登画伯の個展の案内状や1年掛かりの図録、 居合道の第一人者・全日本居合道連盟会長、無雙直伝英信流二十二代宗家・池田隆聖昂 先生の写真集と教本、これも完全な製本を終えるまで1、2年を要する見込み。 本来の仕事以外に不定期スケジュールで奮戦中!申し訳ありません。 これに懲りず、これからもよろしく! (永井 照人)
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