近づいて見ないと油絵か水彩画に見えてしまう「和紙絵」。細密な作業で、あらゆる色、紙質等の種類の和紙を重ね合わせ 貼りつけて描く技法。見る者にとっては絵の素晴らしさや技法と共に細密なその表現手段と長時間の集中力に驚かされる。
美智子先生の和紙絵はあらゆるところに貢献もされているが その1つとして、現役木造校舎としては日本一古い岡山県の吹屋小学校の校舎が建造100年目を迎えた事を知ると その100歳の校舎をみごとな50号の和紙絵で再現、記念式典ではその功績に対し表彰され、新聞でも報道されたほど。心あたたまる出逢いがあり、たくさんのお友達ができましたと喜んでおられた。
夫である前田茂男先生(私の小学校時代の担任と言う繋がり)も美智子先生同様 長年教職に携わられた後、今は一緒に取材旅行に出かけられたり、構図を写真で手助けされるなど息もぴったり 羨ましい限り。
現在「奈良和紙絵の会」(平井嘉子代表)で理事として指導もされ、益々作品創作に意欲を燃やしておられます。
多くの招待作家の作品同様、画面では作品を表現する限度を感じさせられるが、特にこの和紙絵を完全な描写でディスプレイモニタで表現するのは不可能に近い。素晴らしさを知って頂くには、一度展示作品を直に見て頂くしかない様に思える。(永井 照人)
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